<生地作りから焼成まで>窯業界では珍しい一貫生産の窯元です。

食器から茶道具まで先祖から受け継いだ技法に甘んじることなく、現代の生活に合うモダンでスタイリッシュな器を作り続けています。
 波佐見焼は、殆どの窯元が磁器を焼いていますが、利左エ門窯は、陶器を作る希少なメーカーです。 優れた技術を持つ職人たちとチームを組み手仕事にこだわって「用と美」を追求し日々精進しながら、お客様に喜んでいただける焼き物づくりに邁進しております。
利左エ門窯では、生地作りから焼成までの全ての工程をこなせる波佐見焼では、数少ない「職人集団」の窯元です。
食文化に大きく関わる食器、これから変わりゆく生活様式に合った物作りを考え料理が映え る新たな利左エ門スタイルの商品にご期待ください。

生地づくり 瀬尾 正明 4年

 

石膏の外型に陶土を入れて回転させながらへらを押し当て、うつわの生地を成型します。
天日での乾燥と乾いた石膏が吸い取る水分によって陶土がわずかに収縮することによって型から取り外す事ができます。もちろん高台などの削りも手仕事で、丹念に仕上げていきます。
 


飛び鉋(カンナ) 西野 勝広 50年

 

生地に化粧土を塗り適度に乾燥させてから特殊なハガネの道具(カンナ)を押し当てて表面でカタカタと(カンナ)飛び跳ねる事によって化粧土を削り美しい紋様が浮かび上がります。熟練した職人だけができる昔から受け継がれた特殊な技法です。
 ※このカンナも職人がこだわり、市販の物は使わず全部自分で作ります。


手彫り 立山 貞子 20年

 

削り専用の特殊な道具を使い彫りの深さと広さを一様に揃えて紋様を作り上げていく「しのぎ」という技法です。ひとつひとつ丁寧に彫っていきます。
この作業は、水分を保ちながら適度に乾燥した生地で行われます。
乾燥のタイミングと素早い仕事が求められます。熟練の職人が成せる技です。


ロクロ成型 井手 義信 34年

  

これこそ熟練された職人さんだけがなせる技です。
変幻自在に形をかえる土の姿に引き込まれつい見入ってしまいます。一品モノとは違い同じ大きさ形を素早く何個も作る技術こそが波佐見焼の伝統を引き継ぐ職人そのものなのです。
 


施 釉 松山 眞一 18年

 

磁器とは違い釉薬の中に沈める時間は8秒、たっぷりと釉薬を吸い込ませムラにならないよう一気に引き上げます。時間をかける事によって、より深みのある色合いになります。
窯上がりの発色にも影響しますので釉薬の管理と引き上げるときには、特に気を使います。
 


本焼成 武村 裕宣 30年

 
約1250℃で焼成し釉薬を生地に溶け込ませます。
毎回、気温や湿度、風などにより微妙な発色の違いがあり長年の経験をもとに焼成中の火の調整を行うとても神経を使う長時間の作業です 。(※熟練の職人でも特殊な焼き方に大変苦労して窯焚きをしています。) 窯から出すときに温度差で収縮し焼き物が奏でるチンチンという音が窯場に響きます。
この音を聴きながらよく焼けた時が一番の喜びです
13代 武村利左エ門